1. シャントに異変を感じたら
シャントの周りが赤く腫れて痛みます。感染でしょうか?
赤く腫れて痛む症状は、静脈内で血液が固まる「血栓性静脈炎」でも起こります。この場合は自然に治まることが多く、痛み止めの内服が効果的です。一方、38度以上の発熱や、傷口・皮膚から膿が出ている場合は感染の可能性があるため、時間外でもためらわず当院(052-753-3720)へご連絡ください。
指先が冷たくなったりしびれたりします。心配ないですか?
シャントを作った腕で指先の血流が不足する「スティール症候群」のサインである可能性があります。「指先が冷たい」「色が少し悪い」程度であれば経過を見ていただけますが、「指先の感覚が鈍くなった」「指先が痛い」という場合は、直ちに対処が必要な状態ですので、すぐにご連絡ください。
腕全体が腫れてきました。様子を見ていいですか?
静脈の一部が狭くなったり詰まったりすると、シャントの血液が渋滞して腕や手が腫れ上がる「静脈高血圧」が起こることがあります。手術直後〜数日は手術の影響による腫れと区別がつきにくいこともありますので、腫れが強い・続く場合は当院にご相談ください。
血管にコブのような膨らみができました。放置していいですか?
同じ場所への繰り返しの穿刺や、シャント内の圧力が高い状態が続くことで、血管が風船のように膨らむ「シャント瘤」が生じることがあります。表面の皮膚が薄くなってテカテカ光っている、急に大きくなった、といった場合は破裂や感染のリスクが高まるため、「痛くないから」と様子を見ず、早めにご相談ください。
2. 治療の種類について
PTA(経皮的シャント拡張術)とはどんな治療ですか?
皮膚を切らずに、血管の中から風船(バルーン)を使って狭くなった部分を広げる治療です。超音波(エコー)やレントゲンで血管を確認しながらカテーテルを進め、狭窄している部分で風船をゆっくり膨らませることで血液の通り道を確保します。
カテーテル治療(血管内治療)と切開手術は、どちらを受けることになりますか?
シャントのトラブルは、大きく分けて「血管内治療(カテーテル治療)」と「切開手術」のいずれかで対応します。カテーテル治療は皮膚を切らずに済む一方、切開手術はカテーテルでは取り切れない頑固な詰まりや、血管が石灰化して硬くなっている場合、シャントを新しく作り直す必要がある場合などにご提案します。血管の状態を確認したうえで、負担の少ない方法から検討します。
シャントが詰まった場合、どんな治療をしますか?
カテーテルを使って血管内に詰まった血栓(血の塊)を砕いたり吸い出したりして取り除く「血栓除去術」を行います。血栓を除去した後は、原因となっている狭くなった部分を風船で広げる治療(PTA)を組み合わせ、再び詰まらないようにします。詰まった直後であるほど血栓が柔らかく治療しやすいため、早めのご連絡が重要です。
エコー(超音波)とレントゲン、治療のときはどちらを使いますか?
血管の状態に応じて使い分けます。エコー(超音波)は放射線による被ばくや造影剤を使わずに行えるため体への負担が少なく、血管の壁の様子まで詳しく観察できます。一方レントゲン(透視)は、深い場所にある血管や複雑に曲がった部分まで正確に把握でき、ステント留置などの処置にも適しています。
人工血管(AVG)が感染した場合、どんな治療になりますか?
人工血管に細菌が感染すると、飲み薬や点滴の抗菌薬だけで完全に治すことはほぼ不可能なため、感染した人工血管を取り除く(抜去)ことが治療の中心になります。あわせて、感染部位を避けた別の場所に新しい人工血管で血液のルートを作り直す「迂回再建術」を行います。
感染した人工血管を取り除いたら、透析はどうなりますか?
新しいルートが安定して使えるようになるまでの間、一時的に首や胸の血管から透析用カテーテルを挿入して透析を行う場合があります。また、感染していた部分の傷口はあえて縫い合わせず、自然に閉じるのを待つことがあり、完治まで数週間かかることもあります。
3. 麻酔・治療の負担について
治療の麻酔は全身麻酔ですか?
いいえ、当院では意識を消失させる全身麻酔ではなく、治療する範囲の痛みだけを取り除く区域麻酔(局所浸潤麻酔・神経ブロック)を行っています。治療中も意識ははっきりしているため、痛みや気分の変化を感じた際はいつでも声に出してお伝えいただけます。
麻酔をした後、しばらく手が使いにくくなりますか?
麻酔の効果により、治療後もしばらく腕の感覚が鈍くなったり、力が入りにくくなったりすることがあります。効果は通常数時間で切れますが、完全に切れるまでは怪我や転倒にご注意ください。
4. 受診にあたって
セカンドオピニオンを希望しても大丈夫ですか?
もちろんです。他の医師の意見を聞いてみたいというご希望は全面的に尊重しており、ご希望の際は紹介状や検査データを速やかに準備いたします。
当院を受診するには紹介状が必要ですか?
ご紹介をいただいての受診が基本ですが、患者さまやご家族から直接お電話いただいてご予約をお取りすることもできます。その場合、必要に応じて当院から通院中の透析施設へお問い合わせさせていただくことがあります。紹介の手続きについては「紹介する」のページをご覧ください。
通院が難しい場合、送迎はありますか?
ご事情により通院が難しい患者さまを対象に、送迎サービスをご用意しています。詳しくは「送迎サービス」のページをご覧ください。
